会社を買収したい方

こんな買収は失敗する

残念なことですが全ての事業買収が成功するわけではなく、お互いの良さを潰し合い、結果として事業買収が失敗に終わることもあります。場合によっては買収資金の返済や償却負担が重くなり、資金繰りが悪化し融資も止まり、最悪の事態に陥ることもあります。
そのような自体に陥ってしまう事業買収は、いったいどのような所にその原因があるのでしょうか。

属人的に運営されている事業の買収

スモールM&Aの対象となる事業の買収は数百万円から大きくても数億円程の事業規模です。年商でイメージすると1千万円~数億円、月額の売上で100万円~3000万円といったレンジがボリュームゾーンと言えるでしょう。
この事業規模であれば従業員は数人~数十人の組織であることが多く、そのため代表取締役の影響力が極めて大きいことが通常のケースです。
このような事業を承継する場合、代表取締役の属人的な能力で運営されている要素を差し引き、後に何が残るのか十分に見極め、事業を承継しなければなりません。言い換えれば、買収の目的をピンポイントに絞ることがポイントといえるでしょう。
ある食品大手のM&Aでは、新たな地域に進出し販路を広げる場合、必ずその地域の小さな食品メーカーを買収し、そこを足がかりに地域に根付いていくことを戦略としています。
食の好みは地域差が大きく、画一的な調味では地域に浸透することが出来ないためですが、この場合は必ずしも代表取締役の属人的な能力を必要とせず、むしろ現場スタッフの経験と知識が買収の主な目的と言えますので、代表者を失うことで事業の買収が失敗に終わる可能性は低くなるといえるでしょう。
一方で産業用機械の修理専業といった、極めてニッチで職人的な技量を必要とするような町工場を買収する場合、実務は社長や幹部の能力にほぼ100%依存して事業が回っていることが予想されます。土地・建物や設備などの有形固定資産が大きく、買収金額も大きくなる事が予想されますので、これら資産の取得を目的としたM&Aであれば良いかもしれませんが、事業も十分に承継できることを前提に事業予測を立てると、極めて厳しいものになるでしょう。スモールM&Aでは、買収の目的はピンポイントで明確にすることが、失敗しないための大きなポイントです。

企業文化が異なる会社の買収リスク

従業員が10名以下の事業を買収する際は余り問題になりませんが、数十人規模の事業を買収する場合、企業文化の違いについても考慮する必要が出てきます。特に飲食や接客など、普段から多くの顧客と接する事業では、企業文化の違いについていけない社員が出てくる傾向があるといえるでしょう。
少し大きなお話をしますと、「絶対にノーと言わない百貨店」で有名なアメリカのノードストローム。
お客様の要望に絶対ノーと言わない、という企業文化を持ち、一定の金額以内であれば従業員の裁量でお客様の要望に応えるため出費をする権限まで与えられています。 このような企業文化をもつ従業員が、比較的従業員の裁量に統制を取る必要がある、アーリーステージの企業で仕事をすることになれば恐らく馴染めることはないでしょう。
同様に、自社と事業規模が異なる会社を買収する際には、事業規模の違いだけでも既に企業文化が異なることがあり、新しい戦力として組織に馴染むには、従業員にはそれだけで大きなストレスとなります。
トップダウンの傾向が強い会社であれば、自律的に動ける社員であることはなかなか期待できません。従業員の裁量を重んじる会社であれば、新しいやり方とルールに反発を感じることもあります。企業文化が大きく異なる会社を買収し、その従業員を自社の事業として吸収することを想定しているのであれば、その教育が大きな負担とリスクになることを想定しておくことも、重要な要素になります。

不満の多い組織の買収は失敗するのか

M&A案件の中には、経営不振から事業の売却を考え市場に出てくる案件もありますが、経営不振の状態であれば給与も世間水準から低く、休日休暇も法定最低限ということも少なくありません。このような会社では、社長や幹部に対する不満が積もり、ネガティブなエネルギーが組織全体の活気を奪い負のスパイラルに陥っていることも予想できます。

では、このような会社の買収は失敗する可能性が高いのでしょうか。

結論から申し上げますと、対応によってはむしろ事業承継がうまくいく可能性が高くなると言えるでしょう。
経営不振に悩む会社は活気を失い、新しいことにチャレンジする機会も、新しい知識や技術を身に付ける機会にも恵まれず、従業員は日々の仕事のことしか考えられない状態に陥っていることがほとんどです。このような状況は特に若い社員には耐えられず、離職を考えていることもあるでしょう。
買収予定の企業でこのような従業員に会った際に、既に仕事をすることを諦めていればそのリハビリは厳しいかもしれません。しかしながら、買収後にして欲しいこと、どれほど新しい仲間に期待しているかを経営者が語り、その言葉に従業員の目線が上を向いてくるようであれば、むしろ新しい社長への期待と帰属意識が高まり、求心力を得られる可能性が高くなってきます。
求心力とカリスマで組織をまとめてきた社長の引退の場合、新しい経営者への求心力を高める事は容易ではありませんが、従業員の心がまだ折れてなければ、経営不振に陥っている事業でも十分買収を検討する価値があると言えるでしょう。

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